海示が学校につくと、空は厚い雲に覆われていてどんよりと曇天になっていた。校舎はとても古く、窓ガラスが割れていたり、校舎の時計はずっと前に止まっている。
なぜか祝日にこの中学校に呼び出されたのかは皆は知らない、海示にすら知らないことだ。そして、普段着で来てもよいという指示があったので、パーカーの上にダウンコートを着て、青のスニーカーに緩めのジーンズという格好で来た。一歩地面を歩いてみると、緑色のピロティーに教師が何人かたまって居た。
「おはようございます」
 海示は控えめに言ったが返事はない。なにかボソボソと会議をしているようだが、海示には気づいていないようだった。
校舎に入ってみる、嫌な風がどこから吹き付けてきて気持ちが悪い。海示の一組は一番上の階で階段を上るのに少し時間が掛かる。一年生の東校舎は常に風が吹き付けている状態で割れたガラスは誰も処理しようとしないという最悪な状況におかれて居た。そのため、上履きを忘れて廊下を走り回っている人たちはたちまち足の裏を血まみれにして保健室に担ぎ込まれて居た。階段を上り終わると、教室がすぐに見えた。1-1という標識を見て少し海示は安心してドアをあけるが、担任の姿はなかった。それどころか生徒もあまりいなかった。いる生徒は妙に静かで一言も話していなかった。
「よぉ、遼」
 杉田 遼に話しかけてみる。遼だけは相変わらず元気なようで海示を見て顔をいっきに綻ばせてよぉっと言ってきた。
「よぉ、海示。なんかこれから臨時で放送が流れるらしいぜ」

―――これから、この学校内で生き残り大会をしてもらいます。
聞きなれた先生の声からは意味深な発言が出された。辺りは騒然とする。勿論と海示と遼も唖然としていた。

―――ルールは簡単、鬼から逃げて生き残った者が勝ち。群れを成せばそれだけ狙われやすくなる。生きるためには独断行動。分かるかい?
スピーカーは無音になり、海示の額には冷や汗が滴っていた。遼もまたわけのわからないような顔をしていた。
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