「すみません、家賃は必ず払います」
 シュヴァルツはそれだけ行って階段を上り二階にある自分の部屋に向かった。部屋の鍵を鞄の中から出し、鍵穴に差し込む。
シュヴァルツはベッドに横になり額に手を当て、天井を見た。
「FBI捜査官・・・解雇か・・・・・」
 電話から留守番録音のところの光がついた。受話器をとって再生ボタンを押す。
「依頼なんだが・・・大丈夫か?」
 受話器からは若い男の声が聞こえてきた、FBIにはいってから依頼がシュヴァルツには殺到していた。
「依頼の内容なんだが、ある女のことを探ってほしい」
 黙って受話器を耳に押し当てメモを取る
「女の名前はマリー・・・マリー・リグルス・・・・」
 シュヴァルツは驚愕した、同じアパートに住んでいて部屋は向かいだ。そんな人を調査するなんて思ってもいなかった。だがもう自分は捜査官ではない・・・依頼を断るのも容易いことだが自分には今することがない。
「あの女は・・・・絶対に・・つか・・・ければ・・・ない・・・・」
 接続が悪くなり、ブツンという音をたてて電話からの音は無音になった。
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