「今回の事件に関しては、私共は一切関係しておりません」
 PTA会長、元山が言った。校長室は防音性のため普段より声が大きい気がする。
「ですから、今回の事件を洗わせてくれと」
 佐藤が言うと、本山は顔を顰めた。何が、知られたくないことがあるはずだ。
「今の中学生はデリケートだ。下手にこの事件に関与しないでもらいたい」
 本山が顰めた顔を引き攣らせながら言った。外では大雨、ドンドンと、大粒の雨が校長室の窓に突き刺さり、不安を駆りたてる。
「まぁまぁ、落ち着きなされ、二人とも」
「しかし校長先生、これは黙っていられる程軽い事件ではありません、早急に対処せねば取り返しのつかないことになりかねません」
 憤怒する佐藤に校長の木戸はもう一度まぁまぁ、といった
「今焦っても、この事件はまだなにもつかめていない、ここは警察の捜査に進展があってからでは遅いかね?」
 これに佐藤は言い返す言葉が見当たらないのか、黙り込んだ。
「御理解、有難う御座います」
 元山が頭を深々と下げる。が、木戸がですが、と付け足す。
「PTAが関与している確率もあるんですからね」
 元山も黙り込み、校長室は静寂に包まれた。
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