暗く湿った小さな部屋に宏平は居た。この不気味な部屋は、昔の昔、戦争時代の時の米軍の基地である。湿った部屋にライターの火を巡らせると、実銃入りの銃が生々しく部屋に掛けてある。
宏平は、適当に銃や手榴弾、近接武器など、様々なものを段ボールに詰めていく。ガチャリガチャリと詰め込む音だけが部屋にこだまする。
「これが終わってもまだ、続くのかな」
 独り言をこぼすと、その一言は淀んだ空気に吸い込まれるように消えた。

宏平じゃないか!そう自分の名前よ呼ぶ声の主は、カイジであった。カイジは顔いっぱいに笑顔を綻ばせ、宏平に歩み寄ってくると静かに表情を戻した。
「運んできて、くれたんだな」
 宏平は無言でうなずくと、カイジも黙ってうなずき返した。冬の冷たい風が宏平のほほを優しく撫ぜる。
カイジは段ボールの中から戦闘用アサルトライフルM4A1を取り出しながら言った。
雪だ。
白く透明で神秘的な冬の幻がユラユラと真冬の夜空を舞っていた。カイジは空を見上げ、また、優しく笑う。
「心配すんな、これで終わるさ」
そういいながらカイジはアサルトライフルを背に背負い、グルカナイフを二本、腰に差し込んだ。
ユラユラと漂っていた幻は、静かに、大地を白く染め上げ、鮮やかに夜空を照らした。
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