微かな陽の光がカーテンの隙間から漏れてくる、眩しさに思わずシュヴァルツは目を閉じた。この光の中の暖かさをしばらく浴びるシュヴァルツは一息息をついた。腰をベッドからあげてみると、少しからだが軽くなった気がする。外からは車の音が微かに聞こえる風の揺れ動く音さえも鮮明にシュヴァルツの耳には届いた。
時計に目を向ける、時間はもうとっくにシュヴァルツは出勤している時間、だがシュヴァルツにはもう関係のないことであった。そっと時計から目を背けた。ズシリと圧し掛かってくる圧迫感がシュヴァルツを襲う。家の中に居ればこの感覚は恐らく取れないであろうとシュヴァルツは思った。
スーツを羽織り、一階まで降りると、自分のポストを何気なく見た。ポストからは手紙が溢れ帰りどれもこれのいらなさそうな手紙ばかりであった。
「ん?新聞?俺は頼んでないぞ」
 新聞の記事の一部がポストの中には入っておらず、記事の内容はとても不気味な内容であった。その記事を見ていると血の気が引いていく様な。記事を持っている手が微かに震える。口の中が乾いていくのが体に伝わってくる。
-フォルーンロックアパート在住のヨハン・シュヴァルツ容疑者が警視庁データベースにハッキングの容疑。
「そんな・・・誰が・・・こんな」
 遠くでパトカーの音が響いている気がした。今まで心地よかった外の音は一斉に騒音に変わりシュヴァルツに襲い掛かる。パトカーの音がこちらに近づいてくる恐怖感を覚える。この場から立ち去ろうとする自分の足はまるで、別人の足のようで思ったように動かない、まるで地面からおもいきり腕で押さえつけられている感触さえする。
今は掴まりたくない、俺はこんなところで掴まりたくない。俺はハッキングなんかしていない。
そんなことは誰も信じないであろう、実際、FBIという職に立った時はばれぬようにデータベースにハッキングし情報を入手しそのたび悪用していたということをしていたからだ。実際ばれかけた時もあるが、そのことは隠し続けた。自分の評判はますます悪くなるばかり・・・だが今は本当にハッキングという行為はしていない。ということはかつて俺がハッキングをしている事を知っている者が濡れ衣を?だとしても誰が・・・シュヴァルツの頭の中は複雑に思考が絡み合いいやな気配がしていた。
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